いろいろあって

いろいろあって

 ここ最近写真に対するモチベーションがかなり下がっている。そういう時期なんだと思う。写真を見返していると一年のどこかでほとんど写真を撮っていない時期がある。そういう時は”とりあえず”カメラをカバンの中に忍ばせるのが重要になってくる。なにか撮りたいものに出会ったときにカメラがないという体験の積み重ねが写真をますます億劫にする。とりあえずカメラを携帯や財布と同じ感覚で身につけて外出する。写真を撮るにも外が暑すぎるしどこかへ写真を撮りに遠出する気持ちにも最近はなれていない。住んでいる場所も長いので目新しさが全くない。いろいろあって写真が撮れていない。

 7月の三連休で長崎の雲仙に泊まった。久しぶりの遠出でしかもいい景色を期待していたのでいい写真がとれるかなと少しだけ期待していた。当日、そうは上手くいかず線状降水帯と濃霧で何も見えなかった。旅行は事前に日程を決めるので当日の天候は行ってからのお楽しみだ。どんな天候でもそれもまた一興と楽しむ気概が必要になる。この前の香港旅行にしても今回の雲仙旅行にしてもかなりの大雨だった。降っているものは仕方ない。起こってしまった環境でとりあえず楽しむしかないのだ。

 安住アナのラジオに寄せられたお便りの中で出てきた話がよかった。中学生の息子をもつ母親からのお便りだった。息子さんを1000円カットの散髪に連れていくと思った通りの見た目にならなかった。それを非常に嫌がった息子は黒い帽子を買うようにせがんだり、早く髪が伸びるようにともずくとめかぶのメニューを母親にお願いしたりとこだわりの強い多感な時期の少年のことが寄せられていた。少しクスッとなるような話だった。これに対して安住アナが言っていたことが面白かった。大人になるにつれて「置かれた場所でどう咲くのか」とか「配られたカードでどう手をまとめるのか」を考えてこの中学生のような感覚が鈍くなっている、と。本当にそのように思う。身の回りで起きるイベントは大体の見積もりが取れているので気持ち的にも大幅に期待から外れることがなくなった。考えることばかりして何もできなかったり、何かできなかったことに合理性のある解釈を後から与えて自分を納得させる能力も大人の構成要素の一つだと思った。

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